中国株の代表格的な存在のIT大手のテンセント/騰訊控股 (香港取引所コード00700) が11月15日に公表した決算が市場の予想を上回る内容だったため、16日から株価が上昇、今月中は300香港ドルで足踏み状態でしたが、16日に年初の2倍以上の400香港ドルを超えました。
テンセントの株価は、2017/1/3に188香港ドルでスタートし、ほぼ1年近く右肩上がりで株価が上昇しています。
■テンセントの決算内容
テンセントの7-9月(第3四半期)決算は、売上高は61%増の652億元(市場予想610億元)、純利益は69%増益の180億元(市場予想158億元)と市場の予想を上回りました。
好決算の理由としては、テンセントは、「王者栄燿」などのゲームの人気や公告事業の急拡大が寄与したと分析しています。
■テンセントの株価の推移
日本の株式市場では、株価がテンバーガー(10倍)になる条件の一つとして、売上・利益が20%以上増加することとしています。
ただ、この条件は時価総額が100億円以下の企業にあてはまるとされています。
テンセントは、時価総額が世界上位10位以内に入る規模ですので簡単には株価が2倍には
ならないのではと思いがちですが、現実的に特に2017年に入ってから株価は2倍に到達しています。
日本の株式市場でトヨタの株価が2倍になるなんて考えられないことを思い浮かべれば、いかにテンセントの株価の推移が驚異的か理解できるのではないかと思います。
■今後のテンセントの株価の行方を予想
今回の好決算を受けて、ドイツ銀行や野村証券は、テンセントの目標株価を大幅に引き上げました。
テンセントの株価は日本円換算で約5,700円です。
この株価が安いかどうか比較するには同じ中国でテンセントの競合とされていて、ほぼ同じ事業規模のアリババの株価と比べるのが適当ではないかと思います。
ただ、アリババは香港市場には上場しておらず、アメリカ市場のADR(預託証券)として上場、米ドル単位で売買されています。
そのアリババの11月17日現在の株価は185米ドルです。
日本円換算で約2万1,000円とテンセントの約4倍となっています。
私はテンセントもアリババも保有していますが、株価上昇の勢いはテンセントのほうが
強いです。
これは、今後のテンセントの事業の見通しが有望なことに加えて、株価がまだ割安と判断されているからではないかと考えています。
アメリカのシティは、テンセントの株価について、600香港ドルと強気の予想をしていますが、私も今のテンセントのビジネスの勢いからするとそれぐらいはクリアできると考えていますので、さらにホールドし続けるつもりです。