中国の代表的なIT企業のアリババが中国本土の証券取引所で株式上場を計画していると米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたことが材料視され、2018年3月17日のアメリカ株式市場で窓を空けて上昇、200.28ドルで引けました。
アリババの株価は、この1年で約2倍に上昇していますが、2018年1月以降は2月の世界的な株安の影響もあり、この2ヶ月ほどは180ドルから190ドル台でもみ合い状態となっていました。
今回の株価上昇は、中国で上場することによってこれまで以上に資金が流入して、株価上昇に弾みがつくことを期待した投資家がいわば”先回り”で購入したからだとみられてます。
■アリババとテンセントの差は上場先の違い?
私は、アリババと宿敵のテンセントの両方の株を保有していますが、この1年の株価上昇の速度はテンセントのほうが明らかに上回っています。
業績面では、どちらも絶好調ですが、テンセントが2004年の上場当初から、香港市場に上場しているのに対し、アリババは2014年9月にニューヨーク証券取引所(NYSE)に米預託証券(ADR)として上場して、現在に至っています。
おそらくテンセントとアリババの株価上昇スピードの差は、この上場先の違いに原因があるのではないかと思います。
中国株市場は、日本株市場と違い個人投資家のウエイトが高いですので、アリババが中国本土市場にも上場するとなるとその知名度から、一躍人気株となること必至でしょう。
報道によれば、早ければ今年の夏にも中国本土市場で新規公開される見込みということです。
今回のアリババの”本土復帰”は、中国政府が中国のIT大手の資本を本国市場に呼び戻すという政策が背景にあるとみられています。
■アリババは”ネット上の大手小売業”?
個人的にはテンセントのほうがアリババより、将来有望ではないかと考えていますが、アリババはIT企業というより、”ネット上の大手小売業”と捉えていますので、この2社は別の業種と判断して、長期保有しています。