5年に一度開催される中国共産党の党大会の次に中国における重要な政治イベントである、全国人民代表大会(全人代)が3月に開催されました。
この全人代には中国全土の共産党や政府の指導者が集まりますが、経済分野として一部の有力企業の経営者も参加しました。
今回は、科大訊飛(アイフライテック)や小米(シャオミ)、テンセント、レノボ等の有力企業の経営者が代表として選ばれました。
共産主義というより、国家資本主義的な体制の中国では、企業に対する統制が厳しいこともあり、中国政府に一度、睨まれると事業の停止、あげくは企業の解散を命じられることもあります。
その一方で、”政府お気に入りの企業”となると様々な形で、庇護をうけ、事業活動を優位に展開することが可能になります。
■科大訊飛(アイフライテック)は、AI分野の国策企業
中国政府は、今回の全人代で政策方針として、今後、発展が見込まれるAI(人口知能分野)に注力していくことを明らかにしました。
科大訊飛(アイフライテック)は、AIでも特に音声認識技術に強みを持っており、その技術レベルは米国を含めた世界の中でトップクラスと目されています。
すでに技術的には他社をリードしている科大訊飛は、いわば”中国政府公認のAI企業”として、今後、飛躍的な発展が期待できるのではないかと思います。
様々な技術テストで、アメリカのグーグルやNTT等の日本の有力企業を上回る成績を残していますので、課題は”優れた技術をどう金儲けに結びつけていくか”でしょう。
■科大訊飛(アイフライテック)の株価の行方
実際、株価については、業績面では、まだ剋目すべき成長がみられていいないこともあり、このところ60香港ドル台でもみ合い状態となっています。
株価がテンセントのように大化けできるかどうかは、投資家の期待を上回るような業績をあげられるかどうかにかかっています。
すでに期待が高まっていますので”業績サプライズのハードルが高い”ことが懸念材料といえそうです。