中国株の次はインド株ということで投資対象としてインド株への関心は高まってきています。
ただ、残念ながら、インド株への日本人を含めた外国人からの投資は、規制されていて、2021年現在、インド証券取引所上場企業に直接、投資することは出来ません。
今回は、インド株を直接購入する代わりにアメリカ市場のニューヨーク証券取引所にに上場しているADR(米国預託証券)に投資する方法とお勧め銘柄一覧をご紹介します。
インドADR(米国預託証券)に投資する方法
インドADR(米国預託証券)に投資する方法とは、具体的にはアメリカ市場に上場しているインド企業のADR(米国預託証券)に投資するということになります。
ADR(米国預託証券)というのは、配当を受け取ったり、自由に売買して値上がり益を得る等、株式とほぼ同じ仕組みとなっていますが、株式を裏付けとして米国銀行が預かり証を発行することで間接的に所有権を保有している金融商品に過ぎません。
従って、ADRに投資しても正式な株主とは看做されていませんので株主総会に参加したり、株主としての権利を企業に主張することはできません。
ちなみにADRにはインド以外に中国や台湾、ブラジル、欧州等世界中の企業が上場しています。
インドADR(米国預託証券)に投資するためには、通常の証券取引口座がだけではなく、外国証券取引口座を開設する必要があります。
つまり、アップルやアマゾンのようなアメリカ株を購入できるような口座がないと投資することは出来ません。
特に2021年はインドのアマゾンと称されるフリップカートの新規上場が予定されていますので、例年以上にインド株への関心が高まるものと思われますので、今のうちに用意しておくと良いでしょう。
具体的なインド株ADR(米国預託証券)おススメ銘柄一覧は以下のようになります。
※これからご紹介する銘柄には(HDB)のように括弧内に英文を表記していますが、これはティッカーと呼ばれるアメリカ市場における東証コードに相当する上場企業を識別するための固有の名称です。
実際の取引では、このティッカーを用いて注文、売買します。
インド株ADR(米国預託証券)おススメ銘柄一覧2021年版
HDFC銀行(HDB)
HDFC銀行は、インド最大手の商業銀行、日本で言えば、三菱UFJ銀行やみずほ銀行のような存在です。
HDFC銀行は、インド株を対象とした投資信託商品では、ほとんどの商品で主要な投資対象となっています。
インドのトップ銀行ということで、業績面からも安定感がありますので、”インド株に投資したいけどリスクが気になる”という方には、インド株入門的なおススメ銘柄です。
日本では銀行というと業績の大きな伸びは期待できませんが、インドは近いうちに中国の人口を抜いて世界一になるうえ、人口の年齢構成が若いですので安定感だけではなく成長も期待できると思います。
WNSホールディングス(WNS)
インドの企業というとIT系、特にソフトウェア開発関連の企業を思い浮かべる人は少なくありません。
WNSホールディングスもIT系ですが、ADR上場企業のインド企業にはこれまでなかったアウトソーシングを提供するITサービス企業になります。
いわゆる企業を主客とするBTOB企業で、顧客の企業に対して、金融、会計、顧客管理、事務管理サービスを提供しています。
こうしたアウトソーシングをメインとする企業は、インドに限らず、一度、契約を結んだ企業とは、継続的な関係が結びやすいという特性から業績が安定しやすいという特長があります。
インド経済の潜在的な可能性を考えると長期的に期待できるのではないかと思います。
ドクター・レディース・ラボラトリーズ(RDY)
ドクター・レディーズ・ラボラトリーズは、インドの大手製薬会社で、ジェネリックス医薬品が事業のメインとなっています。
販売先はインドに限らず欧米にも一定のシェアを誇っています。
株価は、2020年以降、上昇傾向にありますが、医薬品メーカー特有の新薬の許認可リスクや治験におけるネガティブな情報等のリスクによる株価急落には注意が必要です。
メイクマイトリップ(MMYT)
メイクマイトリップは、インドの旅行会社。
同社は具体的にはインド国内外で航空券、ホテル、パッケージ、鉄道のチケット、バスチケット、レンタカー等の旅行サービス・商品の検索から、プラン・予定までを提供しています。
メイクマイトリップを利用すれば、低価格航空から主要な航空会社、インド鉄道、バス
インド国内の約5000に及ぶホテルを利用することができます。
インドの人口の多さや若年層の多さを考えると長期的に有望だと考えられます。
ただ、現時点では株価は低水準のため、今回、ご紹介した他のインド株ADRに比べて、株価急落等の
リスクが高いことを念頭に置く必要があります。
エロス・STX・グローバル・コーポレーション(ESGC)
エロス・STX・グローバル・コーポレーションは、映画をはじめ、デジタルコンテンツ、音楽等を劇場、テレビ等様々な形態で提供するエンターテインメント企業。
インドは世界有数の映画大国のため、インド国内市場だけでなく世界市場でも有望なビジネスを展開しています。
ただ、現時点では株価は低水準のため、今回、ご紹介した他のインド株ADRに比べて、株価急落等のリスクが高いことを念頭に置く必要があります。