世界に星の数ほどあるIT企業にとって、クラウド事業は有望な市場です。
先週、相次いで2018年7~9月期の四半期決算を発表したアマゾンとグーグルの持ち株会社のアルファベットはどちらもクラウド事業が好調で全事業の利益を押し上げた格好です。
■クラウド事業で稼ぐアマゾン
アマゾンのクラウド事業は、全売上高の約10%ですが、クラウドだけで営業利益約11億ドルで、主力のネット通販の赤字をカバーするだけでなく、全事業の営業利益が約3億ドルと黒字となることに貢献しています。
要するにアマゾンは”配達だの包装だのと手間の割には対して儲からない?ネット通販をクラウド事業の利益で尻ぬぐい”しているのが現状です。
利益面からみるとアマゾンは、クラウド事業がメインの事業となっているともいえます。
一方、グーグルのクラウド事業は、全売上高の約10以下であるものの伸び率は前年同期比で約40%伸びたとしています。
ただ、グーグルは主な収益源は広告ですので、アマゾンとは収益構造が異なります。
クラウド事業は、法人相手のビジネスということで利益率が高く、世界的なIT企業がシェア争いを繰り広げています。
カナリスの調べによれば、世界のクラウド事業のシェアは以下の通りです。
■世界のクラウド事業のシェア上位3社
1位 アマゾン 31.8%
2位 マイクロソフト 13.9%
3位 グーグル 6.0%
この他、IBMが4位あたりにつけて、グーグルを追っているということです。
シェア上位3社を見て意外に感じることはマイクロソフトが2位につけていることです。
Windows全盛期には、世界のIT企業の主役だったマイクロソフトもここ数年アマゾン、グーグル、フェイスブックに宿敵のアップルの影に隠れた感じでしたが、クラウド事業で巻き返しをしようとしているのかもしれません。
また、日本でいえば東芝・日立のような存在のIBMもクラウド事業に注力しているようです。
投資対象としてみた場合、マイクロソフトやIBMについて”巻き返し銘柄”としてウオッチする価値はありそうです。