先日、日本経済新聞でアメリカの賢人投資家のバフェット氏がインドのモバイル決済サービス最大手「Pay(ペイ)tm」を展開するワン97コミュニケーションズが、バフェット氏の率いる投資会社バークシャー・ハザウェイから出資を受け入れたと発表した。と報じられました。
出資額は250億ルピー(約400億円)でバークシャーがインド企業に直接投資するのは今回が初めてということです。
■ワン97コミュニケーションズとはどんな企業
★企業価値は100億ドル超
ワン97コミュニケーションズはソフトバンクグループや中国アリババ集団が既に出資しています。
現在は未上場ですが、企業価値は100億ドル超と推定されています。
★モバイル決済サービスを展開
ワン97コミュニケーションズは2000年に創業。
2014年に現在のモバイル決済サービスに「Pay(ペイ)tm」というサービスで本格参入。ユーザーは約700万の小売業者。
なにしろインドは桁違いに人口が多いですから、今後、ユーザーの更なる拡大が期待できそうです。
■バフェット氏のこれまでの中国株の投資動向からインド株投資の今後を予測
★中国株に早くから投資したバフェット氏
中国株に早くから投資してきた関係でバフェット氏というとまだ、日本の個人投資家が
中国株の投資に対して投機的な扱いしかしていなかった時期に
当時の中国株の代表銘柄の一つ石油大手のペトロチャイナや電気自動車の旗手とみなされているBYDへ大規模な投資をしたということが強く印象に残っています。
★ワン97コミュニケーションズとバフェット氏・ソフトバンク孫氏の投資スタンス
バフェット氏の投資スタンスというと配当志向で成長株にはあまり関心がないように思われてきました。
実際、アメリカの成長株の代表格のアマゾンやグーグル、フェイスブックには投資したことはありません。
今回のワン97コミュニケーションズは、成長株好きのソフトバンクの孫さんが投資したように典型的な成長株。
ですので、なぜ今回、バフェット氏が投資したのかと思います。
バフェット氏も85歳ですのでいまさら、投資スタンスを変えたとも思えません。
いずれにしろ投資上手のバフェット氏と孫氏が大規模投資したということで、ワン97コミュニケーションズの今後に注目していく価値はありそうです。
■インド株投資の今後について
バフェット氏が中国株に投資してから、しばらくして中国株がブレイクしたことも記憶に新しいです。
今回、バフェット氏がインド株のしかも未上場企業に大規模投資したということは、氏がインド経済の先行きに明るいものを感じていることの証明だと思います。
インド株式市場は、現段階では外国人投資家には開放されていませんので、その点で早くから日本人を含む外国人投資家からの直接投資を受け入れてきた中国と事情は異なります。
もし、インド株式市場が黎明期の中国株式市場と同じように開放されていたら、バフェット氏は既に幾つかの企業に投資していた可能性さえあると思います。
2018年に入り、トランプ政権による中国との貿易戦争が激しさを増す中で中国経済の動向に他のアジア諸国ほど影響を受けないということで株式市場においてインドの存在感が高まりつつあります。
以上のようなことから、インド株に投資するのであれば、今はチャンスではないかと考えています。