2017年11月4日付の日本経済新聞で、”個人マネー、インドに向かう 関連投信が1年で2倍 ”と題して、インド株に対する関心やニーズが急速に高まっていると伝えています。
同誌によれば、インド関連の投資信託の残高は2016年9月末に比べ、約2倍の規模となったということです。
インド株は現状では、個別の企業に外国人が直接投資することが禁じられています。
インド関連の投資信託の残高が増えているのは、将来的には中国より有望とされるインドに投資しようと考えた場合、”投資信託しか術がない”ということも背景にあるのではないかと思います。
先週、発表された野村証券の2018年第四半期の決算発表の際、業績を説明する中でインド投信に大量の資金が流入していることに言及していました。
ただインド株を対象にした投資信託は、これまで決して順調だったわけではありません。
■インド株投資信託のこれまでの経緯
インド株に関する投資信託が過去、ブームだったことがあります。
それは、2007年ごろにいわゆる”BRICS”ブームの時です。
しかし、翌年に勃発したリーマンショックの影響で、大ダメージを受けて以降、長らく関心の外に置かれていたような状況が続いていました。
2014年に就任したモディ首相の経済改革路線によって、インド経済が活性化してきたことで投資対象としてのインドに対する再び関心度は高まってきています。
2017年に入ってから、インドの株価も好調で、インドの日経平均ともいえるインド・SENSEX指数は、年初に27,656だったものが9月には31,283と大幅に上昇しています。
インド株を運用するインド株投資信託の運用成績も軒並み好調となっています。
■インド株 投資信託でなくETFを選ぶという方法も
インド株を運用対象とした投資信託・ETFの商品は、星の数ほどあります。
ですので、実際に資金を投入しようとしてもどの投資信託にしたらよいのかわからないという方も少なくないのではないかと思います。
私は、個別企業の株に直接投資することをメインにしていますので、インド株については、アメリカ市場に上場しているインド企業のADR(預託証券=正式な株式ではないので株主としての権利は、配当を受け取る以外ありません))を購入することを通じて、投資していますが、投資対象が限られていますので、投資信託を視野に入れています。
そこで、いろいろ調べてみると名前が真っ先にあがるのが、野村インド株投資です。
野村インド株投資は、今年に入り絶好調で、10月までで基準価額が40%近く上昇しています。
この野村インド株投資は、以下のようなデメリットがあります。
①野村証券でしか購入できない
②購入時手数料が3.24%と高い
③信託報酬率が年に2.16%かかる
ですので、仮に野村インド株投資を5年保有したとしたら、3.24+2.16X5=14.04と
約14%を野村証券に献上?することになります。
この手数料は、例え、基準価格が元本割れしてもとられますので、要注です。
そこで私は、今回は投資信託ではなく、米国市場に上場しているインド株を対象にしたETFを先週購入しました。
ウィズダムツリー インド株収益ファンドというETFで2017年1月に20ドルだった基準価格が11月の時点で27ドルまで上昇しています。
米国市場には、この他にSCIF ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETF、INDL Direxion デイリー インド株 ブル3倍 ETFの2つのETFが上場しています。
ETFのメリットは株のようにいつでも自分の好きな時に売買できることと手数料が安いことです。
逆に毎日、価格をチェックするのは面倒、あるいは毎月、定期的に積み立てしていきたいという場合は、国内で設定された投資信託から選択されることをおすすめします。
■評価の高い国内のインド株投資信託商品
野村インド株投資は、人気商品となっていますが、この他の人気のインド株投資信託商品は、以下の通りです。
★評価の高い国内のインド株投資信託商品一覧
・高成長インド・中型株式ファンド(三井住友アセット)
・新生・UTIインドファンド(新生銀行)
・T&Dインド中小型株ファンドガンジス
インド株のような新興国は株式相場や通貨価格が急落するリスクが先進国より高いですので、一度に資金を投入するより、積み立てのような形で購入していくほうが効果的ではないかと思います。