さらば10倍株、短期で狙う2倍株~景気減速局面での大化株の見つけ方。狙い方~は、これまで”10倍株で勝つ”、”いま仕込んでおくべき10倍株教えます”等の”10倍株(テンバーガー)本”著書を世に問うてきた成長企業アナリスト兼投資家朝香友博氏の2019年4月に発売された最新作です。
■「さらば10倍株、短期で狙う2倍株」とはどんな本か?その内容・肝とは
さらば10倍株、短期で狙う2倍株は、前半(1章・2章)と後半(3章・4章・5章)では内容が大きく異なってます。
①前半(1章・2章)の内容
前半では、2019年以降の株式相場を含めた投資環境や世界経済の予測といったマクロ経済に関する朝香氏の私見を踏まえた解説が中心となっています。
解説では、逆イールドと景気の関係等、かなり専門的な内容となっています。その目的は現在の株式相場が世界的に頂点に近いと認識している著者が読者に注意喚起することにあります。
このことが、”10倍株(テンバーガー)本”を連発してきた著者が”今回、なぜ”さらば10倍株、短期で狙う2倍株”というタイトルにしたのかということの説明にもなっています。
ただ、本を開けたと同時に?”2倍株候補”を一刻も早く知りたいと熱望している多くの読者には、”焦らされ感”を覚えるかもしれません。
前半は、初めて目にするような専門用語や著者のややマニアックな解説も多いですが、その全てを理解する必要はないと思います。
要するにこれから世界経済がどのような方向に向かいそうで、株式投資に今後、どのようなことに気をつけるべきかという大枠を理解できれば十分だと思います。
②後半(3章・4章・5章)の内容
後半では、本書の肝というべき大化け株について、その見つけ方や具体的な有望銘柄名について言及されています。
特に”週末にできる3ステップで見つける2倍株”についてのノウハウは、投資初心者にも再現性が高い内容となっています。
また、グローバル展開している飲食業界の有力上場企業について、実際に海外の店で食べてみることによって、投資対象としての成長性を判断するというツアーを決行して、報告書風にまとめている内容がとても参考になると思います。
成功例だけでなく、失敗例を含め固有名詞を用いて報告していることで記述内容の信頼性アップにつながっています。
■「さらば10倍株、短期で狙う2倍株」の再現性について
本書のようなノウハウ本の良し悪しは、そのノウハウで解説されている投資手法が簡単に再現できるかどうかにかかっていると思います。
「さらば10倍株、短期で狙う2倍株」の著者である朝香友博氏は、これまでの”10倍本”で実際に10倍株をいくつも当てていますので、ノウハウ自体の有効性は十分あります。
今回は、投資環境を考慮して”10倍株ではなく2倍株狙い”にハードルを下げていますが
本書で解説されている”週末にできる3ステップで見つける2倍株”を実践すれば、2倍株を自力で見つけ出すことは可能だといえます。
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■さらば10倍株、短期で狙う2倍株の書評・感想・評価
これまで朝香氏の著書は幾つか読んでいますが、本書はこれまでで一番、景気や投資環境に踏み込んだ内容となっています。
特に前半(1章・2章)は、普段あまり目にしない用語や表現が沢山でてきますので、挫折してしまう人も出てくるかもしれません。
そういう場合は、後半(3章・4章・5章)から読んでみることをおススメします。
2倍株をみつけることだけが目的えあれば、後半だけでも十分、読む価値はあると思います。