スマートフォン向けの写真共有アプリケーションのスナップをメインの事業とするスナップ(SNAP)は、2017年3月に大型の新規株式公開(IPO)として注目を集めました。
スナップ(SNAP)は、あのFACEBOOK創業者のマーク・エリオット・ザッカーバーグが3000億円以上で買収を持ち掛けたものの拒否したことでも知られています。
スナップの特長は「消える」メッセンジャーアプリで、アメリカでは10代に爆発的にユーザーが増加しています。
■第二のフェイスブックかツイッターか
このようなことから、スナップ(SNAP)の将来性について第二のフェイスブックと評価する見方がある一方、華々しく市場にデビューしながら、低迷を続ける第二のツイッターになりかねないという見方もでています。
スナップ(SNAP)を評価する見方の多くはユーザー数の増加に着目する傾向にありますが、悲観的にみる人が少なくない要因としては、赤字決算が続いていることがあります。
実際、スナップ(SNAP)は、赤字決算続きで、2017年12月期の予想経常利益についても赤字予想で-1,455.91(百万ドル)となっています。
■スナップ(SNAP)の赤字決算の背景
赤字決算が続いている背景として、フェイスブックやグーグルのように自前のサーバー施設を持たないことがあると指摘されています。
つまり、スナップは、メッセンジャーアプリという特性から1億を超えるユーザーが1日に何度も動画や写真を送りますのでサーバーの負荷が高くなりがちで、現在、利用しているグーグルのサーバー利用料が莫大な金額になるという利益が出にくい構造となっているのが現状です。
■インスタグラムに勝てないのではという見方も
今週発行の週刊エコノミスト(毎日新聞社)でスナップ(SNAP)の事業の将来性について疑問符をつける内容の解説記事が掲載されました。
その記事では、フェイスブックが運営するインスタグラムが急速にユーザー数を広げているため、スナップ(SNAP)のユーザーはいずれ頭打ちになるのではないかと指摘していました。
実際、日本では、女性を中心にインスタグラムのユーザーが増えています。
その一方で”スナップを利用している”人というのはあまり耳にしません。
フェイスブックは、スナップでできることをインスタグラムでも徐々にできるようにしていくということとあわせスナップ(SNAP)の将来性について疑問符をつけています。
■スナップ(SNAP)の株価は低迷
スナップ(SNAP)の株価は8月に11.28ドルと、上場来安値をつけたあと、現在は値を戻し、15ドル台となっています。
ただ、公開日につけた30ドルからは株価が半分程度の水準となっています。
今後の株価について、赤字決算が続く限り、低迷から脱することは難しいという見方が有力です。
■まとめ
スナップ(SNAP)については、公開された時点から注目していますが、現在の経営状況では投資は見送るつもりです。
というかスナップ(SNAP)に投資するならインスタグラムを運営するフェイスブックを買い増ししたほうがマシと考えています。
ただ、フェイスブックも公開当初、その将来性について疑問符が幾つもつけられていましたので、何かのきっかけで反転する可能性はあると思います。
スナップ(SNAP)の最大の魅力は、大化けする可能性があるということです。
引き続きウォッチしていくつもりです。