安川電機(本社北九州市 東証1部上場)は、ロボットの生産で世界的に知られた企業ですが、2017年に入り特に中国市場からの需要が増えたことで、業績が急拡大、時価総額も1兆円越えと絶好調です。
■安川電機の株価1年で約2.5倍に
業績の好調を受け、昨年から株価も右肩上がりで上昇、1年前の2016年10月31日につけた1,677円から約2.5倍となる3,925円(2017年10月27日現在)となっています。
安川電機の業績の好調の背景としては、ロボットに対するニーズが世界的に拡大していることがありますが、中国市場に強いことも同社の強みです。
最新の2017年第二四半期の決算短信でも、中国市場について、”スマートフォン関連市場を中心に生産設備の高度化・自動化がさらに進んだことに加え、インフラ需要も好調だった”と言及しています。
安川電機は売り上げ、利益のかなりの部分を中国市場から得ています。
中国においてロボットの重要が拡大していることが理由としては大きいですが、
もう一つ安川電機には中国市場に強い意外な理由があるのです。
■安川電機が中国市場に強い理由とは
安川電機の創業者の故安川敬一郎氏は中国革命の父と称された孫文のため、自分の隣家を孫文の隠家のため借りたり、4年間、5百円の生活費を提供する等、様々な支援をしたと伝えられています。
このことは、中国で広く知られとおり、実際、副主席時代の習近平氏が訪日した際、北九州市を訪問、安川電機の工場を見学しました。
このような経緯から、中国の企業の間では、”安川電機は親中派企業”として認識されていることが、中国市場において競合他社より優位にたっている理由とされています。
中国は、中国共産党主導による国家資本主義的な経済ですので、今や中国共産党で独裁的な地位に上りつめた”あの習主席が訪れた安川電機の威光”は、中国において、増すばかりでしょう。
東証一部で日経平均株価に採用されている銘柄が1年間で株価が2倍になることはそうはありませんが、安川電機の中国市場における優位なポジションを考えると、これから投資しても妙味があるのではないかと思います。
日本株にはあまり投資していませんが、安川電機の動向は監視銘柄としてウオッチしていくつもりです。