10年ほど前は、”中国株でテンセントを購入した”というと”何それ?”と怪訝そうな顔をされたものです。
その後、テンセントは、今や、グーグル、フェイスブック等と肩を並べる世界的なIT企業になりました。
中国でIT企業というと、”グーグルやフェイスブックが使えない、検閲が厳しい”等ネガティブに捉えられがちです。
そういう見方をする人は”中国のIT企業に投資しても大丈夫か”となるのです。
でも、テンセントは中国政府、お気に入りの企業なのです。
■テンセントは、中国政府公認?IT企業
2018年3月に開催された全国人民代表大会でテンセントのCEOが代表として参加しました。
全国人民代表大会(全人代)は、日本の国会に相当する重要な会議ですが
テンセントのCEOである馬化騰氏は全人代代表として参加しています。
全人代代表の定員は、2980人で、代表を構成するのは、共産党や政府の代表が大半で、企業の経営者は10人程度に過ぎません。
テンセントのCEOである馬化騰氏は、5年前から全人代代表となり、現在に至っています。
ちなみにテンセントのライバル企業であるアリババのトップの馬氏は全人代代表になったことはありません。
この事実からもテンセントが中国政府に好ましい企業という位置づけになっていることが窺えます。
テンセント側からしても、”政府首脳に自分たちの要望が通りやすい”というメリットは間違いなくあるでしょう。
中国政府は、今後も、グーグルやフェイスブックの中国国内での企業活動に制限をかけることで、テンセントを国がコントロールしやすい国策IT企業と育成していくものと思われます。
■テンセントの今後について
テンセントは、周近平氏が最高指導者となった2012年以降に急速に発展しました。
2017年に開催された中国共産党大会で。周氏が最低でもあと5年は続投することが確実になりましたので、テンセントを巡る経営環境は当面安定していくものと思います。
テンセントの株価は保有した10年まえから20倍近く上昇、文字通り大化けしました。
これから先、さらに20倍というのは難しいにしても5倍くらいにはいくのではないかと予想して、現在も保有しています。
テンセントは、事業面では広告収入にまだ、伸びしろがあるうえ、中国に限らずアメリカやインドの有力ベンチャー企業に次々と出資する等、日本のソフトバンク以上に投資会社としての側面も持ち合わせているため、まだまだ成長途上といった感じです。
それになんといってもグーグルやフェイスブックといった競合企業が指をくわえてみてるだけの中国国民13億人のネット市場をほぼ独占できることが最大の強みでしょう。
テンセントをこれから購入しても期待できるのではないかと考えています。
敢えてリスクをあげるとすれば、”グーグルやフェイスブックの機能が中国国内で制限解除となること”ですが、周近平氏はこれまでの指導者より”言論統制に熱心”ですので、その実現性はかなり低いと思います。